イーサリアムの上海アップグレードが2023年4月13日に実施されました。
2019年からETHをガチホしていた自分としてはここまで来たかという思いですが、何それ?ていう人も多いでしょう。
目的はイーサリアムネットワークをスムーズに使えるようにする事です。この記事を読むと人に簡単な解説ができるようになります。
上海アップグレードの概要
上海アップグレードは、シャペラとも呼ばれます。2つの重要なアップデートである上海とカペラを組み合わせた造語。
主な目的は出金機能の導入です。ステーキングしていたETHを解除して取り出金したり報酬が取り出せたりできるようになります。
・上海:スケーラビリティをイーサリアムの需要量に対応させる
・カペラ:コンセンサス(承認を得る)の面でイーサリアムをPoW⇒PoSへ移行させる
PoSとPoWってどう違うの?
PoWはコインの保有年数や計算した量でマイニング報酬をもらえるシステム。PoSは計算量ではなく、仮想通貨の保有量や保有年数が評価されるよ。
PoSになったら何かいいことあるの?
PoSには取引の改ざんを狙われる51%攻撃を回避できるメリットがあるぞ。
Powには処理能力の高いコンピュータを使った権力の集中が見られたんだ。それが防げるってことね。
じゃあ他の仮想通貨も全部PoSに移行すればいいんじゃない?
PoSに高性能なコンピュータは要らないけど、流通しにくく高値になりにくい点が難点なんだ。仮想通貨の王様であるビットコインはPoWだしPoSが主流になるのは何かしらキカッケがいるんじゃないかな。
PoSはマイニングの承認方法のひとつで、将来性があるけどまだ主流ではないって事ね。
ビーコンチェーン
プルーフオブステーク(POS)コンセンサス実装テストのために、2020年12月1日に稼働開始したのがビーコンチェーン(Beacon chain)
イーサリアム創設者のButerinは「イーサリアム2.0の心臓」と表現。
The Mergeでイーサリアムのメインチェーンと統合されました。
The Merge
イーサリアムは2022年9月に大型アップグレードであるThe Mergeが完了。
イーサリアムのメインネットとビーコンチェーンを統合し、PoSに移行したことになります。
これはイーサリアムが抱えるスケーラビリティ改善の第一段階です。
改善提案(EIP)について
Ethereum(イーサリアム)のネットワークに大きく影響する複数のImprovement Proposal(改善提案)が実装されます。(それぞれの頭文字を取ってEIP)
上海アップグレードを端的に言うと「ステーキングされていたETHの引き出しができるようになった」です。
今回は影響が大きい4つのEIPを取り上げるのでそれぞれ見ていきましょう。
EIP-4895
まず一番大きな影響があると思われるのがEIP-4895。
上海アップグレードが行われる2023年4月の段階で、約1700万ETH(28億円相当)がビーコンチェーンにステーキングされていました。ここからETHを引き出すことが可能に。
”Beacon chain push withdrawals as operations”とあるように今までのETHのロックアップが解除されたわけですね。
EIP-3855
これまではETHをやり取りするにはガス代という手数料が発生していました。
EIPー3855は開発者のガス代を低くするコード「PUSH」を作成。
次に説明するEIP-3860「intcode」とのやり取りでガス代の最大値に制限をかけます。
EIP-3860
EIP-3860はガスの再配布を提案していて、特定の操作に対してガス料金を下げる機能があります。
EIP-3651
EIP-3651はWARMコインベース(ネットワーク上で新しいトークンを受け取るために使うソフト)とよばれてます。
ビルダー(ネットワーク参加者)の一部に対してネットワーク手数料を削減する機能があります。
上海アップグレード後の影響
上海アップグレード(シャペラ)は日本時間2023年4月13日に実装されました。その後のETH引き出し状況や価格の動きを確認。
ETHの引き出し量
今までは32ETH事にステーキングだったけど、暗号資産取引所(バイナンスやクラーケン)で100ドルからステーキング可能に。
そのためETHステーキングは大口投資家からも大注目。
ETHホルダーは1,800万ETH以上ステーキングしていたので、EIP-4895実装後は大量にアンステークされると予想されてました。
上海アップグレード後には100万ETH以上が引き出しを受けてブーストが起こったけど、これはステークされたETHの5.6%程度です。
ETH価格について
上海アップグレード後は出金制限が撤廃されることについての期待で価格は急騰して、11ヶ月振りに2,100ドル(約28万7,000円)に。
5月にはステーキングの需要が大きくなってます。大口投資家のETHは売らずに保有するという姿勢がうかがえます。
ETHは一気に引き出されるだろうから価格は下がるといった一部の意見を覆した格好に。
昨日7時27分ごろにシャペラ(Shapella)アップグレードを無事実装した #イーサリアム、今日9時ごろから急騰して現在2,111ドルで取引されています🚀過去24時間で10.8%以上の上昇を記録🌕
— BTCC_JP (@BTCC_JP) April 14, 2023
早速取引してみよう👉https://t.co/ceea73SnEt$ETH #仮想通貨 #BTCC取引所 pic.twitter.com/uvKZirvBtm
【ETHの今後の価格に注意?】
— 秋葉慶介(aki)🎟NNJ副編集長 (@aki_039) April 14, 2023
4月13日のアップグレード「シャペラ」後、相当数のバリデーターがステーキングされたETHを引き出そうとしています。
現在、引き出しは2週間待ち。
今どんな感じかまとめます👇
ステーキングされたイーサリアム、過去最高に──シャペラ後に440万増 https://t.co/TAyQQf7G60 #coindeskjapan
— KEE (@Keira0330) May 23, 2023
まとめ
上海はThe Marge以来の大型アップグレード。
メインネットとビーコンチェーンが統合されて、POWからPOSへ移行されました。
これまではETHのステーキング解除がいつでも可能か?が不安点だったけど、上海アップグレードはETHのステーキング解除と引き出しを可能にするのでThe Margeの欠点を補ったことになります。
下落の心配も杞憂に終わるどころが力強く上昇。
一方でイーサリアムネットワークのスケーラビリティとGAS代の減額は未解決。
とはいえ、イーサリアムの開発進行度は他プロジェクトよりずっと活発で、順調に進んでいます。
今後のアップデートに期待です。